理数科は、自然科学に興味・関心のある高校生に対し、早くから理数の専門教育を行う学科です。卒業後は大学、さらには大学院へと進学し、将来の理・工学、農学、医・薬学等の分野で指導的な役割を果たす研究者、技術者となる人達の育成を目的としています。
理数科を設置する高校は現在全国に200校ほどありますが、滋賀県では本校と膳所高の2校だけに設置されています。米原高校理数科は、設立されてすでに50年以上になり、親子とも理数科(卒業)という家庭もめずらしくなくなりました。現在、多くの米高理数科の卒業生が理数や工学、医療、教育などの分野で活躍しています。
普通科の理型よりも、実験・実習の授業数が多く、独自の科目が設定されています。様々な実験・実習を通して体験的に学ぶことができ、生きた知識・学力が身に付きます。理学部、工学部、農学部系、医療系などの分野を広く見据えて、学習や体験を行うことができます。2024年度の活動のようすはこちら
学校周辺の自然観察実習(4月)
理数科に入って最初の野外実習を4月末~5月上旬に実施します。
米原高校周辺の自然(地質や植生、土地利用など)を観察し、レポートを提出します。
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ウニ発生実験(7月中旬)
漁師の方と敦賀湾で採取した生きたウニを用いて、米原高校の生物実験室で実習を行います。
生きたウニから卵、精子を取り出し、受精の様子や受精卵の卵割の様子を観察します。
翌日には、原腸胚期まで成長したウニ胚が観察でき、数日後には幼生となって動き回る姿が観察できます。
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宿泊野外実習(7月下旬、2泊3日)
毎年理数科1年生は2泊3日の野外実習を実施しています。
2023年度以降は、福井・富山で実習を実施し、さまざまな場所・施設で観察や体験、学習を行っています。1日目には海の中へ、最終日には3,000mの立山連峰雄山山頂へ。海抜0mから標高3,000mまでのダイナミックな自然体験と学習を通じて、知識の体験的獲得だけでなく、進路について考え、興味を持てる分野の発見の機会にもつながります。
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琵琶湖校外学習(11月)
午前中は、河内風穴に赴いて、鍾乳洞の観察を行います。
午後には、琵琶湖博物館に移動し、プランクトンの観察、ブルーギルの解剖など博物館学芸員の先生の指導のもと実習を行います。
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天体観測実習(11月)
米高は周辺に大きな建物がなく、山で囲まれているため、星の観測に適しています。
本校天文台で、大型天体望遠鏡(コンピュータ制御)などで天体観測を行います。
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バイオ大学実習(8月末)
長浜バイオ大学へ出向き高校ではできないバイオの高度な機器を使った実習実験を行います。
DNAをPCR法で処理し電気泳動で解析を行ったり、電子顕微鏡の操作なども体験します。
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物理化学実習(12月末)
教員考案のオリジナル実験を、1日かけて行います。通常の授業では実施できない、長時間かかる化学反応や、教科書からすこし離れた分野の内容を扱います。
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数学出前講座(12月)
滋賀県立大学との高大連携講座です。大学数学レベルの厳密な議論に触れ、その難しさと面白さを体験します。
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理数探究(通年)
2年生の1年間を通じ、週に1時間ある理数探究の時間を使って、班ごとにテーマを設定し、専門的な研究活動を行います。
研究の成果を発表する場として、ポスターセッションによる発表を行っています。理数探究のポスターセッションは、その準備を通して自身の研究を整理・理解し、「他者に伝える」ということについて熟考・トレーニングすることで、生徒たちが最も成長する機会でもあります。
10月に中間発表、2月に本発表を行っています。また、研究内容は課題研究論文集として冊子にまとめます。
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理数科は、3年間同じメンバーで過ごします。たくさんの自然とのふれあいや実習を通じて、普通の高校生では絶対にできない、特別な体験をすることができます。進路についても、たくさんの先生が丁寧にフォローしてくれます。自然が好きな人、ほかの高校では絶対にできない特別な3年間を過ごしたい人は、ぜひ理数科に来てください。